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お留守番

大谷って携帯とか、マメにしなさそうなイメージがあって。
そこから広げた話です。
高3の花火の時のメール「うしろ」
あのイメージが強いのかなぁ。


拍手コメント。
ありがとうございましたv
レス・・・いつもできてないですが、
全部ちゃんと読ませていただいてます。
がんばろうってやる気もいっぱいもらえて。
感謝感謝です。

コメントなしの拍手も。
もちろんめちゃ嬉しいデスv
いつもありがとうですー!








「おやすみなさい」


 そう言って明かりを消すと、リサは布団にもぐりこんだ。
 今日はこの部屋に、リサひとり。
 大谷は泊りがけで研修に出かけていた。



 リサ以外、誰もいない部屋。



 一緒に暮らし始めて、それなりに月日も経ち。
 お互いに仕事をしているせいもあってか。
 大谷が家にいることは、それほど多くなかった。
 リサ自身も、ひとりで過ごすことに抵抗はなかった。



 それでも。



 夜は必ずこの部屋に帰ってきて。
 朝は必ず「おはよう」を言って。
 24時間、大谷に会えないことはなかった。





 真っ暗な部屋の中、遠くに聞こえる冷蔵庫のモーターの音。
 窓の外には、酔っ払いの騒いでいる声。
 ついさっきまで。
 テレビを見ていた時は、気がつかなかったのに。




 リサは布団の中で溜息を吐く。




 この部屋は思っていたより広いねん。
 ひとりで過ごすには広すぎんねん。

 ・・・・・・
 今夜は思ってたよりも、ずっとずっと。
 ずっとさみしい・・・なぁ。




 枕元にあった携帯を手にとると、
 じっと見ながら、リサは考える。




 メールしたらアカンかな。
 ・・・電話はアカンよな。
 さっきしたばかりやもん。
 でも・・・

 たった一日離れていただけなのに。
 ガランとしたベッドが、すごくさみしい。
 「おやすみ」言うた後は、いつもあたしの髪をくしゃっと触って。
 その手の温かさに、安心できるのに。

 なんでやろ。
 実家では一人で寝てたのに。
 明日になれば、大谷帰ってくるのに。
 ・・・・・・せやのに。




「・・・・・・・」




 ・・・ひとことだけ。
 「おやすみなさい」のひとことだけ。
 メールを送ったとしたら。

 もしかしたら、返信来るかもしれん。
 もしかしたら、電話かかってくるかも・・・。
 ・・・・・・・・・けど。




 リサは携帯を抱えたまま、寝返りをうつ。




 たぶん、きっと。
 メールも電話もけーへん。
 大谷は、用がなかったら電話してけーへんもん・・・
 ・・・・・・・・・





 ブルルッ

 不意に、リサの腕の中で携帯が振動し。
 ディスプレイに「大谷」の文字を見つけると、リサは慌てて電話に出る。



「も・・・しもし?」
「・・・あー、まだ起きてた?」
「う、うんっ。でも寝よう思て、ベッドの中やねん」
「ごめん。ほなすぐ切るから・・・」
「切らんでいいっ」



 ベッドの上で正座をしながら、リサは話し続ける。



「ど、どーしたん?」
「あー、これからな。レポート書かなあかんねん」
「これからて・・・夜中なのに?」
「明日までに提出やからな」
「・・・研修て大変やな」
「・・・・・・・・・・」



 それやったら。
 もう話さんと、電話切らなアカンよな・・・。



「あのな」
「ん?」
「さっきの電話で、言い忘れたことあってん」
「な、なに?」
「・・・寝る前に、戸締り確認しとけよ?」
「・・・はい?」
「火元も確認しておかなアカンからな?」
「ちょ、ちょっと!あたし子供やないんやから・・・」
「つーか、めっちゃ心配やねん」
「・・・なにがよ」
「おまえが」



 一瞬の沈黙。
 リサは胸がドキンとなるのを感じた。




「・・・な、なにが心配・・・なんよ」
「全部」
「あ、あたしは、大丈夫やで?」
「そーかぁ?こないだ鍵なくしたー言うて大騒ぎしたやんけ」
「へ?」
「風呂場の水も溢れさせて、階下の人にめっちゃ謝ったよなぁ」
「・・・・・・・・・」
「オレがおらんと、ボケーとして、なんかしでかしそうちゅーか・・・」



 リサは携帯に向かって怒鳴りつける。



「なんなん!?こんな夜中にケンカ売ってん?!」
「売ってへん」
「売ってるやん!めちゃ腹立つ!!」
「てかおまえ、夜中にそんな大声出すなや」



 なんなん!?
 人がさみしいとか思てたのに!
 なんで、こんなんケンカ売られなアカンの!?




「用がないんやったら切るで!」
「アホか。用はあるっちゅーねん」
「なによっ」



 そこまで言うと、急に言葉が途切れる。



「・・・・・・」
「急に黙り込まんといてよ」
「・・・・・・・・・だか・・・ら・・・」



 長い沈黙。
 なにか言おうとしている大谷の気配に、リサは耳を澄ませた。
 そして・・・




「・・・おやすみ」
 ツーツーツーツー・・・



 そのまま切られてしまった携帯を見つめながら。
 リサはしばらく動けないでいた。



「おやすみて・・・・・・」
 そう呟きながら携帯を抱きしめ、リサはベッドに転がる。
 少し不満げにくちびるを突き出しながらも、なぜか顔はにやけてくる。


 電話なんて、用がないとせーへん言うてたのに。
 「おやすみ」言うために電話かけてきてん?
 これからレポート書かなアカンのに・・・


「えへ・・・へへ・・・」


 ・・・・明日は、ちょっと早起きして。
 大谷のすきなモン作って。
 駅まで迎えにいって。



『おやすみ(>▽<)』


 そうメールを送信すると、明日のことを考えながら。
 リサは眠りについた。



END
| comment(4) | CATEGORY/二次創作 | 05/10(Sat) 18:30

コメント

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私の場合ですが。
どんなに一人でも平気だと思っていても、二人暮らしに慣れてしまうと、
相方がいないと部屋の静けさとかがものすごくわかります。
それこそ冷蔵庫の音とか、階下のうるさい兄ちゃんの部屋から聞こえる音楽とか、ベッドにもぐったとたんにシーンと…。
そして、寝息とか、うるさいと思っていたイビキでさえも、あってほしいと思ってしまったり(笑)
そんな自分の気持ちとちょっとだけリンクさせながら読ませて頂きました。

自分が思ってる以上に寂しいから、思いがけない電話が本当に嬉しかったりとか。
喧嘩売られてるみたいな会話でも、心はとっても温かいとか。
大谷が実は自分と同じ気持ちでいてくれたのだと気づいた幸せ感とか。

リサは愛されてるなあ〜(*^_^*)なんて、こっちまで何だか嬉しい。
リサが大谷大好きっていうお話ももちろん好きだけれど、
大谷がリサを思う気持ちが伝わるお話もすごい好きです。
ぶびゃ | URL | 2008/05/11/Sun 19:30 [EDIT]
私はちょっと違うんですけど
私は、眠るとき、割合ひとりでも平気で。
ふたりならふたりで幸せだけど、ひとりなら相手のことを考えれば、うれしく眠れたりします。

だけど。
リサや大谷の気持ちは、めっちゃわかります。

なんだか、つながっていたいと言うか。
実感が欲しいと言うか。

そんなときに、相手が同じ気持ちだってことがわかったら、ものすごく幸せですよね。

リサが大谷のことをすきなのはもちろんですけど、大谷もリサのことをすきなんだなぁ、と思えて、うれしい気持ちになりました。(=^^=)
rainball | URL | 2008/05/11/Sun 22:13 [EDIT]
おはようございます。

「お留守番」のお話、読ませていただきました。
きなcoさんがこのお話を更新されてから繰り返し読ませていただいてます。
何回読んだかわからない(笑)
何回読ませていただいてもホンワカした気持ちの残るお話でした。

一言で言うと「以心電信。」(ここはあえて・・・笑)な2人が見え隠れしてました。
(昔々YMOって人たちのお歌です)

リサちゃんがかわいいです、かいらしすぎて悶絶(!)してました。

「おやすみなさい。」

の言葉に、すごく重みを感じました。
大谷くんの「・・・おやすみ。」もすごく重いです。
たった四文字に色んな意味が入ってるように思いました。

>・・・・明日は、ちょっと早起きして。
> 大谷のすきなモン作って。
> 駅まで迎えにいって。

↑ここに・・・キュン死にしました。
ぎゅーーっとシアワセになれました。
言葉をお借りしますが・・・すっごく大好物です(笑)

ステキなお話、ありがとうございます。
大谷のおかん | URL | 2008/05/12/Mon 08:11 [EDIT]
レス。
#ぶびゃ様
読んでくださってありがとうございますv
いつもそこにいる存在が、急にいなくなってしまうと、
やっぱり不安というか、寂しいというか。
この話はリサ視点で書いたのですが、
でもさびしいのは大谷も同様で。
大谷がリサを思う気持ちが、分かってもらえて嬉しいです(^^*)


#rainball様
読んでくださってありがとうございますv
自分がさびしいと思っている時に、
相手も同じ気持ちだと嬉しいですよね(^^*)
私の書く大谷は、なによりもリサが大好きなので(笑)
たぶんさびしくてしょうがなくて、
電話したんだと思いますv


#大谷のオカン様
読んでくださってありがとうございますv
繰り返し読んでいただけるなんて、幸せすぎます(^^*)
この話には「おやすみなさい」とか「おやすみ」とか
何度も出てくるですけど、
その中でも、大谷の「おやすみ」は、
いろんな意味・気持ちが入ってますね(;^_^A
コメント読ませていただいて、改めて気づきました。
大好物(笑)と言っていただけて、めちゃ嬉しいです(^^*)
きなco | URL | 2008/05/13/Tue 00:33 [EDIT]

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